■ 建設業許可には「有効期限」がある
建設業許可は一度取得すれば永久に有効、と思っていませんか?
実は、建設業許可には5年ごとの更新が義務付けられており、更新を忘れると“失効”してしまいます。
更新申請の受付期間は、有効期限の30日前までに提出が必要。期限を過ぎてしまうと、どんなに長く建設業を続けていたとしても、「無許可業者」として扱われてしまいます。
■ 更新を忘れるとどうなるのか?
許可の更新を忘れた場合、次のような重大な影響が出ます。
① 許可が失効扱いになる
有効期限を1日でも過ぎてしまえば、許可は自動的に無効になります。
どれだけ立派な業歴があっても、許可証が使えない状態になります。
② 500万円以上の工事が受けられなくなる
建設業法により、軽微な工事(原則500万円未満)以外は許可がないと請け負うことができません。失効状態で請け負えば、無許可営業となり法律違反です。
③ 元請や取引先からの信頼を失う
「建設業許可証を見せてほしい」「許可番号を出してください」と言われたときに失効していれば、契約破棄や受注の機会損失にもつながります。
④ 公共工事・入札資格が取り消される
経営事項審査(経審)や入札参加資格も、自動的に消滅します。許可を失うことで、官公庁の工事や元請業者からの指名停止になることもあります。
■ 無許可営業になるとどうなる?
建設業法では、無許可で営業した場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
悪意がなかった場合でも、「うっかり失効したまま営業していた」となると、営業停止命令や指導対象になることがあります。
特に、元請業者が下請の許可状況を管理しているケースでは、即時契約解除の対象となることもあるため注意が必要です。
■ 失効後は“更新”ではなく“再取得”が必要に
更新手続きを忘れてしまった場合、もう一度「新規申請」からやり直しになります。
その際、次のようなデメリットが発生します。
- 新規申請手数料がまたかかる(9万円前後)
- 許可番号・許可年月日が変わる(信用に影響)
- 新規申請書類の準備が大変(役員経歴・技術者証明など)
また、失効から再取得までに時間が空いてしまうと、“空白期間に違法営業していたのでは?”と疑われるリスクもあります。
■ いつから準備すべき?更新のスケジュール感
更新申請は、有効期限の3か月前から受付可能です。
たとえば、有効期限が「令和7年10月20日」の場合、令和7年7月21日から受付可能で、遅くとも9月20日までに提出する必要があります。
▼ スケジュール例(更新申請)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 有効期限の3か月前 | 書類準備・内容確認・行政書士に相談 |
| 有効期限の2か月前 | 必要書類の取得(納税証明・決算書など) |
| 有効期限の1か月前 | 申請書を提出し、受理される |
■ 行政書士に任せるメリット
更新手続きは、基本的には「建設業許可の最初の取得と同じくらい」書類が多く、注意点も多岐にわたります。
行政書士に依頼すれば、
- 提出期限をしっかり管理してもらえる
- 書類の不備や形式ミスを防げる
- スムーズに許可を維持できる
というメリットがあります。
特に、役員変更や営業所変更があった会社は、変更届が未提出だと更新申請が通らないこともあるため、日頃からの許可管理が重要です。
■ まとめ:「あとでいいや」が命取り。早めの更新準備を
建設業許可の更新忘れは、「無許可営業」という重大なリスクにつながります。
せっかく取得した許可を失効させないためにも、期限を逆算し、3か月前には動き出すのが理想です。
「更新期限が近づいている」「変更届を出し忘れているかも」「書類の準備が不安」
そんなときは、行政書士がしっかりサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。